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東西冷戦の構図 ー 「西側諸国」と「東側諸国」

ウクライナ情勢に関連して、前々から書こうと思っていたことがあるんですよ。

「 ロッキー Ⅳ 」って映画、観たことありますか? 私のお気に入りの映画なんですけどね。

これ、私が証券会社に入社して間もないころ、1985年の映画なんですけれども、当時は「東西冷戦」の真っ最中で、アメリカ中心の「西側諸国」と当時のソ連中心の「東側諸国」が軍事的にも、経済的にも対立していた時代の作品です。

ロッキーシリーズは、借金の取り立てをして生計を立てていたならず者のロッキー・バルボア(ロッキー)がボクシングを始め、世間の予想に反してチャンピオンのアポロ・クリード(アポロ)と互角に戦う、という第1作から始まりました。
で、この4作目の「 ロッキー Ⅳ 」は、チャンピオンの座に上りつめたロッキーがソ連のボクサーと戦う、という、まさに当時の東西冷戦をボクシングの映画として描いた作品なんですよ。

ちょっとあらすじを…
(写真はYou Tube。 ロッキーの公式チャンネルではないですが、
チャンネル DNOstaigna  "Commissions Meeting / Press Conference : Rockey Ⅳ : Rockey vs Drago" https://youtu.be/A2pip-eD8xo
チャンネル Movieclips " Rockey Ⅳ (12/12) Movie Clip - Everybody Can Change (1985) HD " https://youtu.be/Uc6tQH8yHF8
からスクショで取得しました)

・ロッキーの盟友となったアポロは、ソ連のアマチュアボクシングチャンピオンのイワン・ドラゴ(ドラゴ)が訪米することを知り、ドラゴに試合を申込みます。
・すでに引退して5年、悠々自適の生活を送っていたアポロですが、「まだやれる」と、止めるロッキーを説得してエキシビジョンマッチを行うのですが…
・ソ連の技術の粋を集めて肉体改造されたアポロに全く刃が立たず、第2ラウンドで完全に打ちのめされてそのまま帰らぬ人となってしまいました。
・悩んだロッキーですが、とうとうドラゴと戦うことを決意します。
・アポロ側同席のもとで行われた記者会見でロッキーは「ノーマネー」「試合は12月25日」「場所はロシア」と表明。ロシアでの厳しいトレーニングを始めます。
・いざ試合。観衆はすべて「西側諸国に対する憎悪」に満ちたソ連人。当時のゴルバチョフ首相をもじったソ連政府首脳も見守る中、ゴングが鳴ります。
・ドラゴ優勢の一方的な試合展開でしたが、予想に反してロッキーは健闘、最終ラウンドまで持ちこたえました。
・試合が進むに連れ、激しい憎悪の目でロッキーをみていた観衆にだんだん変化が起こり始めます。こんどは健闘するロッキーに声援を送り始めます。
・そして最終ラウンド、ついにロッキーはドラゴをKO。
・試合後、リング上でのインタビューでロッキーはこう話します。
「試合が進むにつれて、自分の(ソ連の人々に対する)気持ち、あなた方の(ロッキーに対する)気持ちが変わった。お互い憎悪の気持ちに変化が起こった、自分は変われる、あなた方も変われる、誰でも変われるはずだ!」と。

 

・場内は大きな拍手に包まれ、政府首脳も立ち上がって拍手を送る。

 

という物語です。
当時のアメリカとソ連の対立にリンクさせた、ちょっと政治色のある作品なんですが、今ふうに言うと、

「国と国、そしてその国の人々同士が対立していても、話し合えばお互い理解できるはずだ。」

というメッセージを送ったんですね。

今回のウクライナ問題で、西側(アメリカやヨーロッパ諸国)から発せられる一方的な非難メッセージと、東側(ロシアや親ロシア国)から発せられる自己正当化メッセージが対照的で(あたりまえなんだけど)、それでずっと前からこのシーンを思い出してたんですよ。

ロッキーがドラゴと戦うことを決意した記者会見のシーンです。

上のあらすじで書いた記者会見のシーン。
ロッキーが「試合場所はロシア」と表明した際、ソ連側は「ロシアでなければ誰とも試合しない」と強い口調で話します。理由は東西対立です。

 

続いてドラゴ婦人が答えます。

「ロシアでなければ夫の身が危険にさらされる。これは政治ではない。夫は殺し屋ではなくてボクサーだ。」
「あなた方(西側諸国の人たち)は、西側諸国がとても良い国で、東側諸国がとても悪い国だと思っている、西側諸国の方が東側諸国よりも良い国だと思っている。」

記者会見は大荒れとなってドラゴ側が退席する、という筋書きです。

何か今、同じようなことが起こっている気がするんですよ。

いつの世も、国と国との争いというのはお互いの国益をめぐっての争いです。どちらの指導者も得るものがなければお互い譲るはずがありません。
でも民間人どうし、人と人どうしというのは違いますよね。
もちろんお互い罵り合ったりはあるけれども、対話があればお互いが理解し合えるはずなんですよ。

昨晩、私がいつもお世話になっているロシア語講座のチャンネルに、ロシア人の先生のメッセージが上がっていました。
今回の問題に触れずに講座を進めるわけにはいかない、ということで勇気を出してウクライナ問題と国内の反応に触れたんですね。
先生のもとに多くのヘイトメッセージが届いたそうです。最後は泣いてましたね。

まあ、これが戦争なんだ、と片付けたくはないです。

とにかく、両国ともこれ以上の犠牲者を出すことなく、一刻も早く終息してもらいたいと心から願っています。

機会があったら「ロッキーⅣ」、観てくださいね。

では。今日はこれで終わります。

 

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