株指南

銘柄コードと業種 ④ サービス業

今日はサービス業を見てみたいと思います。

仕事探しや職種などでもサービス業という言葉は広く使われていますけれど、サービス業ってなんなの? って言われると正直一言で説明するのは難しいですよね。
一次産業、二次産業… っていう区分でいうと第三次産業に区分されるんですけど、第一次産業が農林水産業、第二次産業が製造業・建設業・鉱業。第三次産業というのはそれ以外、っていうくらいの定義ですからありとあらゆる業種が第三次産業なわけですね。
まあ昔の話です。かつてはそれぐらいしか産業というのはなかったんですね。時代を感じます。

33業種に区分できないもの、って言えばいいでしょうか。
「私たちの身の回り、私たちの身近なところにある会社、業種」というふうに考えるとわかりやすいかも知れませんね。

おおざっぱにどんな会社があるのかというと、

・吉野家、マクドナルド、居酒屋チェーンや出前館などの外食関連産業。
・コナミや任天堂ほかのゲーム関連企業。
・楽天、メルカリなどのEC関連企業。
・ベネッセや学研などの教育関連、学習塾。
・電通や博報堂などの広告会社。
・リゾートトラスト、ディズニーランドのオリエンタルランド、歌舞伎座、エイベックスなどの娯楽・リゾート関連。

これはほんの一例です。
私たちの生活に密着したものが多いですね。レンタル会社、警備会社、人材派遣とかもありますし、東京都競馬、ダスキン、日本郵政、リクルート、お世話になりたくはないですが弁護士ドットコム なんてのもここです。
普段の生活に欠かせない、ありとあらゆるのもがある、って印象です。

じゃ、さっそくみていきましょう。

①指数構成銘柄とテーマ性
②過去データ
③日経平均との比較
④今後の方向性

の順に。

 

①指数構成銘柄とテーマ性

これだけ多岐にわたっていますので構成銘柄数が多いです。全部で300。

1部 254銘柄
2部 8銘柄
JASDAQ(2市場) 12銘柄
マザーズ 25銘柄
札証(札幌証券取引所)単独上場 1銘柄(RIZAPです)

となっています。

多種多彩な業務内容ですから業種別指数がどこまで使えるのかということになるのですが、先ほども書いたように私たちの生活に密着している銘柄が多いのでその意味では「消費関連の指数」と考えられますし、あるいは「景気に敏感な指数」としても考えられると思います。

どうしてかというと、スーパーなどの小売業はある意味「ねばならない」支出ですよね。節約する場面もありますが。
これに対してサービス業の指数構成銘柄はどちらかというと「ゆとりの支出」ですから、景気が悪ければまずここから支出を抑えます。
ですから景気を先取りする銘柄、って言えるんですよ。

そうなると個別にはどうしてもライフスタイルの変化であるとか、流行り廃りというものを考えておかなくてはいけませんね。
これは以前も書いたことなのですが、やッキになって銘柄探しするよりも身の回りのふとしたところにヒントが落ちていますから、ピンときたら連想を働かせてこの業種から探してみると良いと思います。

 

②過去データ

2019年1月からの指数の動きを見ていきましょう。
(日本取引所グループ Webサイト「リアルタイム株価指数値一覧」 https://www.jpx.co.jp/markets/indices/realvalues/index.html より抜粋しました。)

 

何やら日経平均をみているようですが…

個別の銘柄をみてみましょうか。
指数構成銘柄数が多いので、無作為に30銘柄抜き出してみました。
(STIOCK-CHART.NET 株式チャート集 Webサイト 「全33業種別指数と構成銘柄のチャート一覧」 https://www.stock-life.net/industry/to_medicine.html より抜粋しました。)

 

 

バラバラですね。類似性、規則性はないです。
ざっと確認したところ、同業他社(ホテルや外食)で比較してみてもまちまちでした。

あまり参考になりませんね。

指数全体の傾向としては、2022年の年明け以降は日経平均の下げにお付き合いしていますが、それ以前のコロナによる急落も難なく乗り越えています。
でも300銘柄全体に共通する動きはなくて、このチャートを説明するのは難しいです。

でも日経平均と比較すると、先ほどの「消費関連」と考えたときにちょっと説明がつく部分があります。
これは次でお話します。

 

③日経平均との比較

直近6ヶ月の動きを見てみましょう。
(株マップ.comWebサイト 「業種別指数ランキング」 https://jp.kabumap.com/servlets/kabumap/Action?SRC=marketIndustry/base&KEEP=ON より抜粋しました。)

ともに2021年8月25日を100として比較表示されています

 

日経平均とほぼ連動しているように見えます。
しかしよく見ると、昨年暮れは日経平均を上回る勢いがあったのに対して年明けには日経平均を下回るパフォーマンスへと転換しています。
この原因を考えると…

昨年暮れはコロナ患者が再び増え続けていたものの、特に厳しい規制もなく年末の消費行動も大きく落ち込むことはありませんでした。
一方、年明けからはまん延防止措置が本格化して、飲食業を中心にふたたびブレーキがかかった時期です。

消費行動というのは心理的な要素に左右されることが多いですから、先行き不透明とみると消費高度は押さえられます。反対に社会情勢に不安がなく安定した時期には消費行動は順調です。
ですから昨年暮れと今年はじめの日経平均との乖離は、消費関連として景気の先行指標の役割を果たしたと考えると説明がつくのではないでしょうか。

 

④今後の方向性

これまでに書いてきたことをまとめると、指数自体に特別な意味はなさそうです。

今後の動きとしては「景気動向次第」という言葉で片付けるしかないのですが、過去経験則でいうと、株が上がれば心理的に財布のヒモは緩みます。下がり始めるとその逆です。上で検討した日経平均との乖離も説明できますよね。先行指標ですから。

しばらくは日経平均にお付き合いする展開は致し方ないところですが、日経平均が上昇トレンドに転換したのが確認できれば、まず最初にサービス業銘柄に資金は向くと思います。

あなたの消費に対する心理をそのまま活かせばいい、ってことになりますね。

さて、業種も銘柄も多すぎて収拾つかない業種別指数ですが、よくよく考えると上で書いたような特性もありますので、活用できるときは活用しましょう。

では、今日はこれで終わります。

 

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