【今週予想される動き】
・原油高が一段落したことでひとまずは悩みのタネはなくなったわけですが、楽観視するのはまだ早いと考えます。
上げすぎの反動安の域を出ないため、今週再び120ドル台の可能性も考えられます。
・ロシアへの経済制裁、特に金融制裁がどの程度のダメージを与えているかについては具体的に立証されておらず、逆にロシアが今後どのような報復措置に出てくるか、注意が必要です。
・商品価格が高騰しています。
シカゴ商品取引所に上場している商品のうち、小麦ほか全体の4割が最高値を更新していて今後日本も物価高は避けられなくなってきました。
・10日に発表されたアメリカの2月消費者物価指数(CPI)は予想を上回り、インフレ傾向がさらに鮮明となりましたが、NY市場は意外にもあまり反応しませんでした。
金利上昇を相場が織り込んでいく段階に入ったのかは不明ですが、利上げペースが加速するとなるとNY市場もさらに調整が必要になってきます。
・ヨーロッパ市場の混乱も継続すると考えます。
これは経済制裁がブーメランになってヨーロッパ各国に影響を与えるとの懸念からですが、NYよりもこちらを注視すべきでしょう。
・東京市場はNY市場の動きを見ながらの展開。
【今後の方向性】
◯テクニカル面
先週は24,681.40円をつけ、安値を切り下げています。
チャート上は相変わらずきれいな下落傾向の波形を維持して、次の下値は24,000円どころ。
またこの下げ過程で海外投資家は売り越しが続いています。
信用の追証などによる投げが出始めているため、セリングクライマックスは近いのではと予想します
今週は、
・上値 25,500円〜26,000円
・下値 24,000円〜24,500円
の間で推移するものと思います。
◯個別材料
・先週に引き続きウクライナ情勢の長期化と原油価格の高止まり、希少金属価格の高騰が続くと予想されることから三菱商事などの商社株、日本郵船などの海運株、三菱重工やIHIなどの防衛関連が物色される展開となりそうです。
・マザーズ市場の回復はまだ当面見込み薄です。
再び700ポイントを割れ込み、底が見えません。一旦下がるところまで下がったほうがアク抜けするので、値ごろ感で解に走らないほうが無難と考えます。
(了)