【今週予想される動き】
・ウクライナ情勢が市場の予想に反して長引いていることから、NYも東京も戦況に振り回される展開が続くと考えられます。
得るものがない状態でプーチンが停戦に合意するとは思えず、早期解決は期待薄と考えます。
・戦況の長期化を読んでか、開戦当初は落ち着いていた原油がリーマンショック以来の高値をつけ、まだ下がる気配を見せません。
穀物など商品市況も高騰しており、しばらくは高止まりすると思われます。
すでにアメリカでは物価への影響が出ており、早晩日本へも波及するものと考えます。
・ロシアのSWIFT決済排除は一部の主要行に限られており、エネルギー輸出代金を決済する銀行は除外されています。
戦況の長期化でこれらの銀行まで追加制裁の対象となり決済網から排除されると、EU各国はエネルギー輸入に支障をきたすことになり、ヨーロッパ金融市場は今以上の混乱が予想されます。
・10日に発表されるアメリカの2月消費者物価指数(CPI)に注目が集まっています。
先日発表された雇用統計が市場の予想をはるかに上回る数字であったため、今回の消費者物価指数(CPI)次第では利上げ幅が大きくなる可能性もあります。
市場はこの点に関心を寄せていて、仮に利上げ幅が大きくなれば株価に大きな悪影響となります。
・東京市場は「NY市場頼み」のため、ウクライナ問題や原油価格の動きに「直接」反応するのではなく、NY市場の動きに一喜一憂しながらの値動きでしょう。
【今後の方向性】
◯テクニカル面
先週は25,774.28円と、先週つけた安値25,775円をわずかに下回り、安値を切り下げています。
チャート上はきれいな波形を維持しており、次の下値は25,500円、場合によってはもう一段下の25,300円まで見ておく必要はありそうです。
この下げ過程で出来高、売買代金ともかなり高い水準にあることから、信用の追証が出始めている可能性があります。
テクニカル面から見ても、そろそろ一旦底を打ちそうな気がします。
今週は、
・上値 26,500円〜26,800円
・下値 25,300円〜25,500円
の間で推移するものと思います。
◯個別材料
・ウクライナ情勢の長期化と原油価格の高止まり、希少金属価格の高騰が続くと予想されることから三菱商事などの商社株、引き続き日本郵船などの海運株、三菱重工やIHIなどの防衛関連に資金は向かうと考えます。
・マザーズ市場の回復はまだ当面見込み薄です。
先週新規上場したイメージマジック(7793)は公開価格の1,740円を1,000円以上上回る高値2,871円でスタートしましたが、わずか2日で2,016円まで下落しています。
1部に上場したビーウィズは初値が公開価格を下回るなどIPO神話が崩れつつあることから、地合いの悪い状態は継続するものと思います。
(了)