株指南

銘柄コードと業種 ⑥ 証券・ 商品先物取引業

今日は証券・ 商品先物取引業 をみていくことにします。

以前銀行株を「ジミ」と評しましたが、この証券・先物もジミというか、掴みどころがないですよね。
証券会社の株ってどんなときに上がるの? と聞かれてもイメージがつかめないかもしれません。

でも… 「一応」あるんですよ。
想像はつくと思うんですけれども、「市場が活況になると買われる」習性はあります。
正確に言うと「相場が上がって活況になれば」です。
これは昔からそうですね。

売買代金が増えれば手数料収入が増えますし、相場が上昇すれば投資家の新規資金も入ってきます。
投資家のすそ野が広がって、証券会社なら投資信託の販売も増えますしね、結果的に収益も増えます。

証券会社勤務時代、証券株は相場の指標だなんて言われたこともあるんですが、先行指標というよりは後で評価される業界ですからね。
たいがいの銘柄買い尽くして、次にどの銘柄を選ぼうか、というときに「そういえば証券株があったよね」なんて扱いで。
まあ、それくらいのもんです。

そのわりには相場が悪いときは売られるのが早いんですよ。
今みたいに投資家が自分で判断してネットで注文する時代じゃないし、相場が悪いのは証券会社のせいだという雰囲気でしたから、誰も目のかたきの証券株なんて買いやしません。
今はどうか… 後ほど見ることにしましょう。

収益構造もかなり変わりました。
私のいた時代から安定収益を増やそうということで、株の手数料収入に頼らない経営に力を入れ始めた時代でした。
おりしもアメリカで起こった金融革命の波が日本に押し寄せてきたときで、証券会社と銀行はもちろん、金融機関の間の垣根がどんどんなくなっていって、いまではどの金融機関もいろいろな商品売っていますよね。
郵便局が投資信託売るなんて夢にも思わなかったです。さぞかし募集に苦労されているとお察ししますが。

さて指数についてです。
証券会社だけでなくて先物取引会社も含みますし、証券会社の決算内容をみても投資家の売買手数料収入のウエイトは低くなっているので、上で書いたような動きにはなっていません。

なにはともあれ、いつもの順に見ていくことにしましょう。

①指数構成銘柄とテーマ性
②過去データ
③日経平均との比較
④今後の方向性

で。

 

①指数構成銘柄とテーマ性

指数構成銘柄は40銘柄。

1部 23銘柄
2部 2銘柄
JASDAQ(2市場) 13銘柄
マザーズ 2銘柄

です。

テーマ性については上に書いたとおりで、相場が上昇して活況のときに業績が上がるというのは証券も商品取引も変わりません。
ただ相場が下げたときはどうなのかというと、証券各社とも売買手数料以外で収益を上げるよう努力していますから業績も大きくは下がらないです。
ですので日経平均が下がったからといって株価がそのまま下がるということはなくなりました。
また商品先物会社も小豆のような商品だけではなく、為替、株価指数先物を取り扱っていますのでかなり業態は変わっています。
相場の変動さえあれば収益が上がりますから、やはり決算内容で評価されていますね。

 

②過去データ

2019年1月からのデータです。
(日本取引所グループ Webサイト「リアルタイム株価指数値一覧」 https://www.jpx.co.jp/markets/indices/realvalues/index.html より抜粋しました。)

 

コロナショックは致し方ないとしてもその後の動きは安定しています。昨年後半からの動きが比較的堅調ですね。

個別銘柄をみてみましょう。

証券会社6社と商品先物会社6社をランダムでピックアップしました
(STIOCK-CHART.NET 株式チャート集 Webサイト 「全33業種別指数と構成銘柄のチャート一覧」 https://www.stock-life.net/industry/to_medicine.html より抜粋しました。)

証券会社

 

証券会社が下落傾向にあるのは読み取れますね。
商品先物会社はまちまちです。他の銘柄の動きも同様です。

日々の相場の動きをみて売られる、買われるというよりは、あくまで決算内容で評価されると考えてよいと思います。

 

③日経平均との比較

見てみましょう
(株マップ.comWebサイト 「業種別指数ランキング」 https://jp.kabumap.com/servlets/kabumap/Action?SRC=marketIndustry/base&KEEP=ON より抜粋しました。)

 

今年に入ってから日経平均を上回るパフォーマンスです。

日経平均が力なく下がっていく過程でウクライナ問題でボラティリティ(変動率)が高まって投資家の売買が増えたことが要因として考えられます。
これは証券会社でも同じです。

ただ評価されて日経平均を上回っているというよりは、全体として下げが少なかった、ということでしょうか。

 

④今後の方向性

証券会社は年明け以降ウクライナ情勢で株価は低迷していますから、3月期決算、その先6月の四半期決算でいい数字は出てこないと思います。
しばらくは辛抱ですね。

一方商品先物会社は今のようにボラティリティが高いほうが投資家の売買機会も増えますから収益に繋がると考えられます。
日経平均とは関係ない動きになると思います。

こうしたことからトータルとしての指数で考えれば、日経平均を上回る状態がしばらく続くと思います。
ただ証券会社と商品先物会社の値動きが異なりますので、指数の動きが必ずしも同じ業種の銘柄と一致しませんので、この点は注意が必要です。

さて今回の証券・商品先物取引業、ちょっと手が出しにくいかも知れませんね。
他の業種と同じで、決算内容と出来高をしっかり見るようにしましょう。

では、これで終わります。

 

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