株指南

投資のテクニック ① 売り上がり

私は毎日株情報サイトや市況情報サイトでその日の動きやニュースを把握するようにしていますが、皆さんもご経験のとおり、あなたの投資法では勝てないとか、今なら無料で勝てる方法教えますとか、まあ最終的に会員を募る広告があふれてますよね。
「今なら無料で教えます!」 とか、「ここだけの秘密を暴露!」とかって言葉が並ぶんですが、おそらくは重大でも秘密でもなんでもない、ただの実績やら自慢話を延々続けるだけで中身はスッカラカンだろうと推測。

きっとそこから先は有料会員にならないとわからないしくみだろうし、実際有料会員になったこともないので効果がいかほどのものかわからない以上コメントしませんが、まあお決まりの勧誘パターンだと思っていつも眺めています。

そんな中で、「売り上がり」という手法を強調している広告がありました。実際それでセミナーの生徒は利益が上がったとか。
売り上がりは別にこの広告主オリジナルの手法でもなんでもなく、特別なテクニックでもなんでもないんですが、理にかなっているのでちょっとご紹介したいと思います。

ついでに… そろそろ具体的な投資手法を織り交ぜながら書いていこうと思っていたところでしたので、不定期のシリーズとしていろいろな投資法をご紹介していこうと思います。

売り上がりというのは、その銘柄に動きがないときに仕込んでおいて、上がり始めたら少しずつ売っていき、高値をつけて天井を打ったことを確認したら、下がり始めたタイミングで全部売り切る、という手法です。
仮に天井をつけて急落したとしても、上昇する前に買っていますから損は出ません。それまでに実現益確保してますしね。

フツーじゃないの、それ?

フツーじゃないんですよ。それができるならみんなやってます。できないからセミナーの広告が出るんですよ。

多くの人は少し動き出すとまたいつ下がり始めるや知れぬといって手放します。あるいは狙い通り上がっても、まだ上がると思っているうちに売りどきを失ってしまうことはままあります。
結局多くの投資家と同じ行動をとってしまうわけですね。

そんなときにぜひ参考にしていただきたいのが「三猿金泉秘録」です。

江戸時代後期、米相場の天才相場師と言われた牛田権三郎が自らの投資経験をまとめたものです。Amazonでも手に入ります。
私もこのブログでこれまでにも引用してきましたが、株の世界で語られている様々な格言は、この三猿金泉録に由来するものや三猿金泉録に通じるものが多いです。

で、三猿というのはこれですよこれ

 

序文にこう書かれています

眼に強変を見て、心に強変の淵に沈むことなかれ、只心に売を含むべし。
耳に弱変を聞きて心に弱変の淵に沈むことなかれ、只心に買を含むべし。
強変を見聞くとも、人に語ることなかれ、言へば人の心を迷はす。
是三猿の秘密なり

牛田権三郎の教えを見ると、そのまま現代の相場に当てはまります。
相場というのは人間の欲が作り出すものですし、投資家の心理がそのまま映し出されますよね。200年近く前の教えがいまだに生きているわけです。学ぶべきですね。

で、この三猿金泉録の中に

買い米を一度に買うは無分別。二度に買うべし、二度に売るべし。

という教えがあります。

一度に売買するのではなくて、相場の方向を見極めながら少しずつ慎重に売買せよ、という教えです。
これは売り上がりだけではなく、買い上がりについても言っていますが、考え方は全く同じです。

二度に買うべし
・まず少し買ってみる。
・動きがなければそのまま我慢。
・上がり始めたと確信したら追加で資金投入。

二度に売るべし
・高値近辺で少し売ってみる。
・上がっていくのであれば「売り上がり」
・下落を確信したら全部売却。

いかがですか?
200年前の売買手法、あなたもしっかり身につけてください。

では、今日はこれで終わります。

 

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