〇〇ホールディングスとか〇〇HDって銘柄あるけど、あれ、なに?
はい、わかりました。
これまで説明してませんでしたね。
今日はこのお話をしましょう。
野村證券も銘柄名としては「野村ホールディングス」「野村HD」です。
あさま山荘事件の記事で登場したカップラーメンの日清食品も「日清食品ホールディングス」です。
何が違うんじゃ?
というツッコミが入ることはわかっているので、「東京電力ホールディングス」を例にして説明します。
東京在住のあなた、電気の検針票とか料金案内見ると「TEPCO」のロゴが入っていて、請求元は「東京電力エナジーパートナー」になってますよね。
以前はここが「東京電力」になってました。
実は2016年のことなんですが、東京電力は事業部門別に3社に会社を分けたんですよ。
その分けたそれぞれの会社の株を全部持っているのが東京電力ホールディングスなんです。
ネットで調べると「ホールディングス」は「持株会社」とでてきますね。分社化した会社(支配下においた会社)の「株」を「持」っている「会社」なので持株会社なんですよ。
メリットとかいろいろ書かれていますけど、「各事業部門を会社として独立させて収益責任を持たせる。」これに尽きます。
あなたが家でぱちんとスイッチ入れれば明かりがつくまでには、
発電用の燃料(石油・LNG)を買付ける。
↓
燃料が海外から船に乗ってえっちらこっちら日本にやってくる。
↓
発電所で燃やして電気を作る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・①
↓
送電線鉄塔通って家の近くまで電気がやってくる。
↓
電柱伝って家の前に到着。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・②
↓
家に引き込まれて電気ON!
↓
使った分の電気を計算・請求。
↓
電気料金お支払い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・③
っていう長い道のりをたどるわけですが、この過程を①②③に切り分けて3社に分けたんですよ。
ちなみに…
2019年に別会社を作って、水力発電と風力発電、太陽光発電事業を分離しました。(東京電力リニューアルパワー)
現在東京電力ホールディングスの下に4社ぶら下がっています。
東京電力ホールディングスはこんなかんじです。
(東京電力ホールディングスWebサイト 「東京電力グループ組織図」 https://www.tepco.co.jp/rp/about/company/organization.html より抜粋しました)
①までを行うのが「東京電力 フュエル&パワー」(燃料・火力発電事業会社)
②までを行うのが「東京電力 パワーグリッド」(一般配送電事業会社)
③を行うのが「東京電力エナジーパートナー」(小売電気事業会社)
そして上で書いた「東京電力リニューアルパワー」(再生エネルギー発電事業会社)
この4社の全株を東京電力ホールディングスが持っているわけですね。
で、東京電力ホールディングスはなにしとるの?
ですよね。
経営計画作ったり、4社から配当金もらったり、メシの種はそれくらいです。
実態ないやんけ!
そうです。そのとおりです。
東京電力ホールディングスという単体の会社そのものは多少の事業は行っていますが、この会社が電力を供給していわけではありません。
でも、4社の株という資産を持っていますから、東京電力ホールディングスの株の価値自体はあるわけです。
だから市場で高い値段で売買されるわけですよ。
じゃあ東京電力ホールディングスという会社の収益とか、投資家は何を見たらいいのかということになりますね。
これが「連結売上高」「連結利益」といって、支配下の売上や利益を合算した数字で、決算のときに発表されるのはこの数字なんですよ。
「連」というのは「連結決算」という意味です。
あなたが他の株の銘柄情報を見ると、一株利益やPERは「単独」と「連結」に分かれていて、両方の数字を見ることができると思います。
これはどういうことかというと、銘柄の会社単体の数字と、子会社を含めたグループ全体の数字に分けて発表しているんですね。
ホールディングスは単体の会社がないですから「すべて連結」です。
銘柄情報も連結のところにしか表示されません。
でも東京電力ホールディングスは支配下4社すべての「企業価値」「株の価値」を握っていて、4社全体をまとめた決算を発表しているわけですから、結局はもとの東京電力株を売買しているのと何も変わらないわけです。
おわかりいただけましたか?
参考までに、野村ホールディングスの場合、どれくらいの会社があるかというと…
まだあります。多すぎて全部スクショできませんでした。
一番先頭に野村證券がありますね。野村ホールディングスの場合は、もともとあった野村證券の関連会社をまとめてホールディングスにしたんです。
それまで売買されていたのは野村證券単体の株、いまはグループ会社全体を売買している、ということですね。
同じホールディングスでも東京電力ホールディングスは経緯が違います。
ということで…
今日はこれで終わりましょう。
では。