仕手株って本当にあるの？
ありますよ。詳しい実態はわかりませんが。
過去記事で短期急騰銘柄のことを何度か書いてきましたが、この短期急騰銘柄の中のいくつか（もしかしたら大半かもしれない）が仕手株、と考えていいでしょう。
仕手株の定義は「ある投資家の意図的な操作が行われている株」のことです。
わかりやすくいうと「仕手筋」「仕手集団」「相場師」と呼ばれる集団・個人が手掛ける株、ですかね。
これまでお話してきた短期急騰銘柄のいくつかがこれです。
巨額の資金を必要としない「小型株」に急騰銘柄が多いのもわかりますよね。
パターンは決まっていて
株価の動きなし → 徐々に出来高が増えてじわりじわりと価格上昇 → ある日突然価格が上昇 → 投資家の資金が集中 → 出来高急増 → 株価上昇がストップ → 急落 → 出来高急減 → 「あの人はいま…」に
ほぼこのパターンをたどります。
仕手筋の側から見ると…
ターゲットは普段売買が少ない小型株。手口は、
時間をかけて値段が急に上がらないように買い集める(玉集め ぎょくあつめ) → 大量の買い注文を入れて株価を急騰させる(玉転がし たまころがし) → 一般投資家が気づいて相乗り( ちょうちん買い） → 急騰場面で持っていた株を全部売却 → 株は急落、低迷
短期急騰銘柄の動きとピタリ一致しますね。
ただ短期急騰銘柄がすべて仕手株というわけではありません。
業績が急回復したり、成長性を見込まれて「ちゃんとした理由」で買われることがありますからね。
・どこまでが仕手株でどこまでがちゃんとした株なのか。
・どんな人が仕手集団とよばれてどんな人が普通の投資家と呼ばれるのか。
線引するのは困難です。
詳しい実態がわからないというのはこういう意味です。
昔は「誠備グループ」とか「投資ジャーナル」などの仕手集団が有名で、公然と活動していましたけれども、「投資家の意図的な株価の操作」は現在違法ですし（相場操縦）、SNSなどで株価が上がる（下がる）等のガセネタを流すと「風説の流布」でお縄になります。
ちなみに誠備グループの顧客には政治家や財界の大物、芸能人やスポーツ選手もいたそうですが、代表が脱税容疑で逮捕された際、顧客の名前は一切口を割らなかったとか。
短期急騰銘柄を手掛ける個人や企業をぜんぶひっくるめて「仕手筋」と呼んでもいいですが、そこはとらえ方の問題なので、仕手株というのは上に書いたような株価の動きをする、と覚えておけばよいでしょう。
これまで注意してきた「短期急騰銘柄で高値つかんだら損してても潔く売れ」というのはこういう理由だからです。
日本人、特に株投資家は「大きな声では言えませんけどね…」「ここだけの話ですよ」に弱いので、カモにされて高値をつかまないようにしましょう。
さて、ネットでの登場回数は多くありませんが、「政治銘柄」「マル政銘柄」と呼ばれるものもあります。
政治家が政治資金を調達するために株式市場を利用するわけですね。その株のことをいいます。
これもまた仕手株と全く同じで実態はわかりませんし、線引もできません。
値動きも同じ。短期急騰銘柄のパターンで動きます。
そして手口も同じです。
証券会社勤務時代に地方支店の同期から聞いた話です。守秘義務があるのでそれ以上の詳しいことはいくら聞いても絶対教えてくれませんでしたが。
支店に政治家の秘書がやってくるんだそうです。紙袋に現金詰めて。
「この株注文してください」といって現金を預けて帰っていく。
注文した銘柄は「なんでこんな株注文するんだろう？？？」というような誰も見向きもしない株。
ところが… 何ヶ月後にその株が爆上げするんだそうです。
今でもあるんでしょうかね…
さて、あなたは「私もそんな銘柄教えてほしい‼‼」
と思いますよね。
私も思います。
誰だって株で利益上げたいし、短期間で儲けたいですからね。
でも実態は不明。
そりゃそうです。私は仕手筋です、なんて顔に書いてあるわけじゃないですからね。
個人的にはこうした株を買うのはあまりオススメしないです。
利益とれてもわずかで、損をする確率のほうがはるかに高いと思いますよ。
