株指南

絶対にやってはいけない! その指値

安くなってきたから指値して買ったんだけど、そのあとどんどん下がってしまって…

よく耳にするパターンです。
株の世界では「買ったら下がる、売ったら上がる」は日常茶飯事です。
原因は明確です。 これまで私がお話してきた
・安い時に買って高い時に売る
・週単位、月単位の大きな傾向を見る
を守っていないからです。

それができるなら苦労しませんよ…

とつぶやくあなた、肩を落とさずにこれからするお話をちゃんと覚えてくださいね。
株初心者でなくてもやってしまう、でも絶対にやってはいけない、典型的なパターンを説明しますので。

《Aさんのケース》
狙っていた株がやっと下がってきた。いま1,120円だけど、せっかく下がってきたんだから1,000円くらいで買いたいねえ。
じゃ、1,000円の指値注文をしてしばらくじっと待つとするか…

Aさんはとりあえず1,000円の指値注文をし、できたら2週間くらいの間に買えたらいいなと思って待っていました。
そうしたら思ったよりも早く1,000円まで下がってきて、Aさんは狙っていた1,000円でこの株を買うことができました。

ラッキーと思ったのもつかの間、その株は1,000円を割り込んで800円台まで下がってしまいました。

《Bさんのケース》
SNSで「この株が明日にでも急騰しそうだ」というネタを仕入れたBさん。家に帰ってさっそくその株をチェック。
今日の終値は765円、徴候が出ているし、短期間で1,000円狙えるという話はウソではなさそうだ。

翌日朝、Bさんは昨日の終値よりも5円高い770円で指値注文を出しました。

ところが… 朝からこの株に注文が殺到、始値は780円、そのあと774円まで下がったあと反転して急上昇を始めました。
焦ったBさんは指値を何度も上げましたが、それでも買えないまま株価は上がり続けます。

我慢できなくなったBさんは指値を諦めて成行注文に変更。結局Bさんが買ったのは最初の指値から80円も上の850円でした。

それでも翌日からも大量の買い注文が続いてBさんは大喜び。
ところが900円を超えたところで株価は足踏みを始め、気がついたらあれよあれよという間に830円まで下がってしまいました。

何がいけなかったんでしょうか…

まず《Aさんのケース》を検証してみましょう。
狙っていた株が下がってきた。いま1,120円。これより下の値段で指値をすること自体は間違ってはいません。
ところがAさんはここから二つのミスをしています。

一つめは「週単位、月単位の大きな傾向」を見ていないことです。
ずっと株価が下がってきて、1,120円まできている。仮にかなり高い値段からジリジリ下げてきたのであれば、明らかにこの株は値下がり傾向にあるといえます。
そうすると、さらに1,000円まで下がってくるということは、傾向としてさらに下落を続ける可能性が高いわけです。

これはぜひ覚えておいてほしいのですが、
・しばらく買えそうもない低い値段で出した指値注文がすんなり買えた場合 → そこからさらに下がっていく
・しばらく売れそうもない高い値段で出した指値注文がすんなり売れた場合 → 売れたとたん急上昇を始める
株にはこうした習性があります。

二つめは「大台」の存在を意識しなかったことです。
大台というのは例えばこのケースでいう1,000円というラインです。こうしたキリの良い値段というのはひとつの「節目(ふしめ)」になっていて、株価が上がる場面ではその大台で上げ止まる、下がる場面ではその大台で下げ止まる、という習性があります。
ところがその大台のラインを突き抜けてしまうと、今度はそこから1〜2割上がったり、逆に下がったりするという習性もあるんです。

Aさんの場合、この株が1,000円をつけたあと反転して1,050円、1,100円と上がっていく可能性もあるのですが、ジリジリと値を下げてきた→市場全体も下落傾向にある と考えられますので1,000円をズッポリと割って下がってしまったわけですね。ご愁傷様です。

市場全体に元気がないときは大台の節目で下げ止まってくれません。Aさんはここを見過ごしましたね。
結論としてAさんはこの下落局面で手を出すべきではなかった、ということになります。

次に《Bさんのケース》を検証してみましょう。
こうした短期間で急上昇する株、急騰株に乗っかることが間違っているわけではありません。こうした動きをする銘柄はいくつもあり、東証2部やマザーズ市場などに上場している規模の小さい会社、普段の売買出来高が少ない銘柄によく見られます。ネットで「短期急騰銘柄」と呼ばれているのがこれですね。
実はBさんも二つのミスをしています。

一つめは指値。このケースは短期勝負ですから少々高くても確実に買って短期で売り抜ける事が必要です。朝から成行で買いに行くか、指値をするなら800円、といったところでしょう。
焦って指値を上げ続けるのも✕。こういう場合はすぐ成行に変更すべきでした。

二つめは売り抜けるタイミング。こうした株は利益の大小に関わらず、3、4日で売り抜けるのが鉄則です。
もともとこういう株でよくあるのは、黒幕が出来高が少ないときから値段が上がらないよう前もってコツコツ少しづつ買い集めてあって、買い注文が殺到している場面で、それまで買い集めた株を一気に売り抜けている、というパターンです。誰がババを掴むか、というゲームでしかありません。

ですから動きが止まったと思ったら潔く売ってサヨナラしないと、いつの間にか出来高がほとんどなくなって、売ろうにも売れない状態になってしまいます。

この株が「あの人はいま…」の状態になる前に、潔く逃げましょう。

さて、今回は指値注文をする際に「絶対にやってはいけないこと」をお話ししました。
これからあなたが株を買う際、これと全く同じ場面を何度も経験するはずです。

ですから今回のお話、しっかり覚えておいてくださいね。

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