株指南

為替・金利・株価

円ドル相場と株の値段って関係あるの? あと金利とか…

あるときもある。ないときもある。そのときによる。要は気まぐれ。
ただ円高になると往々にして海外投資家は売ってくるね 。

こうとしか答えようがないんですよ。

私が証券会社にいた三十数年前は

・景気が悪くなってくると日銀は金利を下げる → 企業や個人がお金を借りやすくなる → 設備投資や住宅購入などにお金を向けて景気を回復させようとする。

・金利が下がると、国債などの確定利率モノの魅力がなくなる → 資金が株に向かう。景気の回復期待も加わって株価は上がる。

・金利が下がると、日米の金利差が大きくなる(昔のアメリカは年13%‼) → 金利の高いアメリカに資金が向かう → ドルが買われるので円安になる。

・景気が回復するとインフレを防ぐために日銀は金利を上げる → 企業や個人がお金を借りにくくなる → 設備投資や住宅購入などにお金が回らなくなって景気が足踏みする。

・日米の金利差が縮小するとアメリカにお金を預ける魅力がなくなる → 資金が日本に戻ってくる → 円買い、ドル売りで円高になる。

・金利が高くなれば株から国債などに資金が向かう。また景気停滞の懸念から株価は下がる。

・ドルで投資している海外投資家は円高ドル安で為替で儲かる → ウハウハで日本株を売却 → 株価は下がる。

こう教えられてきました。実際にも為替と金利と株がこのような関係で動いていたと記憶しています。

いまはというと、

・金利が上昇しても企業業績は向上して株価は上がる。(逆)
・金利が上昇すると国債などから株に資金が向かう。(逆)
・円高になると輸入コストが下がるので、材料を輸入している企業の業績は上がる。(逆)

という局面もあるわけです。
特に三番めの輸入企業の業績が上がる、というのは定着してきたと思います。
1ドル250水準から一気に160円くらいまで円高が進んで(有名な「プラザ合意」です)、輸出依存から内需拡大へと日本の産業構造が転換しましたからね。

だから為替と金利と株価の関係は、とても密接なんだけれども、お互いがどう作用し合うか、ということになると

関係あるときもある、ないときもある、そのときによる。

んですね。
為替や金利がどのような場面、どのようなタイミングで動いたかによっても株価の動きも違ってくるわけです。

ただ円高になると海外投資家が売ってくる、という傾向は続いているようですね。
これは上に書いたように為替で利益が出て利益確定のために売ってくることの他に、ドル建てで世界各国に分散投資している彼らにとって、円高ドル安によって日本株の資産評価額が上がる→日本株のウエイトが上がってしまう という事情でポジション調整しなければいけなくなるという事情もあります。

どちらかというと為替や金利が直接株価に影響を与える、と考えるよりも、為替と金利が企業業績に影響を与えて、それを株式市場が評価する、という間接的な関係ととらえたほうがわかりやすいと思いますね。

正直なところ、私は株価を見るときにお、日々の為替や金利動向は(よほど急激な円高とか円安場面でない限り)スルーです。

 

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