東京証券取引所は2022年4月4日から市場が再編成されます。
今日はこの話題についてお話しようと思います。
①いまの市場から新しい市場にどう変わるのか
②なぜ市場区分を変更したのか
の順に説明していきますね。
①いまの市場から新しい市場にどう変わるのか
簡単に言うと、東証に5つある市場が3つになる、ということです。
・東証の5市場 ー 東証一部、東証二部、JASDAAQスタンダード、JASDAQグロース、マザーズ の区分けがなくなる。
↓
・4月4日からプライム、スタンダード、グロース の3つの市場となる。
というわけですね。
ネットでもあちこちのサイトで説明されていますが、だいたいが東証を運営する「日本取引所グループ」のホームページからのパクリ(失礼、引用です)なので、日本取引所グループのホームページがを見れば一番正確な情報が得られます。
まずはこちらを。
日本取引所ホームページ 「市場区分見直しの概要」
( https://www.jpx.co.jp/equities/market-restructure/market-segments/index.html )
で、私の持ってる銘柄どうなっちゃうの?
ってことですよね? 結論から言うと、
「何も変わらない」
ということになります。4月4日を境になにか急激に変化するということはないでしょう。
また株主数や浮動株。時価総額といった基準で分けられるので、市場を分けるモノサシも基本変わりません。
この市場区分は東証側から「こうします」と一方的分けるのではなくて、どの市場に上場するのかを「上場会社一社一社が選択」するわけです。
各社が3市場のうちどの市場を選んだか、その結果がこちら。2022年1月11日に公表されました。
日本取引所ホームページ 「上場会社による新市場区分の選択結果」」
( https://www.jpx.co.jp/equities/market-restructure/results/index.html )
各上場会社がどの市場に移行するのかの一覧(エクセルファイル)が掲載されていますが、見づらいと思うので、ページの一番下にコソっとリンク貼られている「東証上場会社情報サービス」をタップすると、個別企業がどの市場に移行するのか検索できるようになっています。
《プライム市場》 1,841社 東証1部上場会社のうち 1,841社
《スタンダード市場》 1,477社 東証1部上場会社のうち 344社 + 東証2部 全社 + JASDAQスタンダード の大半
《グロース市場》 459社 JASDAQスタンダードの一部 + JASDAQグロース全社 + マザーズ全社
このようになりました。
日経平均もそのまま変更なく連続性は維持されますし、TOPIXも当面は変更ありませんが、10月頃から新市場区分に合わせた調整が行われる予定です。
②なぜ市場区分を変更したのか
大きく分けると2つあります。
一つめは投資家側からの観点
二つめは企業側からの観点
あなたもお気づきかと思いますが、1部銘柄はともかく、2部とJASDAQ、マザーズとの区別つきますか? ということですね。
会社の大きさ(時価総額)、日々の出来高、流動性(浮動株比率)によって市場が分けられるってのはわかるけど、東証が基準値で自動的に変更するわけではない(会社側が能動的に指定替えを申請)ので、もう境目がないんですね。
2部とマザーズくらいは違いもわかるけど、「あれっ?これ一部銘柄だったの?」と思わず叫んでしまいたくなるような出来高の少ない会社もあるわけです。
わざわざ5つに細かく分ける必要もないし、今回の区分変更でわかりやすくなったのではないでしょうか。
では企業側からの観点ですが、企業の観点というよりも東証の事情です。
東京市場を世界トップクラスの位置づけにしようと思えば、一社一社が企業価値を高める努力を日々してもらわないと困るわけです。
アメリカ企業のように「会社は株主のためにある」という考えが徹底していて株主の突き上げが激しい国では、常に業績上げて、配当も増やして、企業価値を高めて株価が上がるように、株主様の方を向いていないといけないわけです。
なのに日本の場合は「会社は社員のもの(オーナーのもの)」なので、アメリカのように「何が何でも企業価値を高める」なんて文化がない…
東証としては時価総額世界3位(1位アメリカ、2位中国)のプライドにかけて、企業にそれを促すのだ、としています。
まあ、区分変更したところで無理でしょうね。
基準満たさないとサッカーのようにリーグ降格にはなりますので、降格危機の下位何チームかと昇格かかった何チームかが一生懸命頑張る、という程度でしょう。
移行しないと何が起こるか不明ですが、コンセプトがはっきりしたので、投資家にとってみるとわかりやすくなったと思います。