株指南

売買代金活用法

ねえ、売買代金って、一応見ておいたほうがいいの?

はい。見ておいたほうがいいです。
個別銘柄の売買代金は見なくていいです。
市場全体の売買代金を見れば大丈夫。全体の傾向がわかります。

さらに、市場全体の売買代金と、投資部門別売買動向を重ね合わせると、全体の傾向がもっとわかるようになります。
今日はこのお話をしましょう。

以前私は「損をしないための5か条」の中で、市場の流れに逆らうな、というお話をしました。
どんなにいい銘柄を見つけても、市場が下落傾向にあるときにその銘柄だけが上がり続けるということはきわめて稀です。どうしても全体の動きに引っ張られます。
まずは損をしないことが最優先ですからね。 迷ったら買わずに待つことが一番です。買わなければ損もしませんよね。

ですからまず市場全体の方向性を考えること、どうなっていきそうか、1ヶ月〜3ヶ月先までのストーリーを考えることです。
難しくないですよ。テレビのニュースでもいいし、スマホのニュースサイトでもいいです。そこにいっぱいヒントが落ちています。

最終的にはチャートを見て判断しますが、こうした株式市場の方向性、今後の展開を考える上でヒントになるのが売買代金なんです。

例をあげながら説明していきますね。

①「下落局面」でいつ下げ止まって上がり始めるのかを考えるとき。
《パターン1》
今日の株式市場は急落した。売買代金も普段より少なく、1兆円そこそこだった。
《パターン2》
今日の株式市場は急落した。売買代金も多く、4兆円を超えた。

②「上昇局面」でどこまで上がるのかを考えるとき。
《パターン1》
株式市場の上昇が続いている。売買代金も4兆円を大きく超えた。
《パターン2》
株式市場の上昇が続いている。ただここのところ売買代金は1兆円そこそこのことが多い。

③「横ばい」状態でこれから上がるのか下がるのかを考えるとき。
《パターン1》
膠着状態。売買代金も1兆円を割る日が多い。
《パターン2》
膠着状態。だがここのところ少しずつ売買代金が増えて昨日は3兆円近かった。

①の場面でどのように考えられるかというと
《パターン1》
株式市場全体が下落して元気がなく、ただでさえ買い注文が少ないところに投げ売りが出て株価ガストンと下がってしまった。と考えられます。
《パターン2》
大量の売り注文が出た。チャート上は短期的に見れば下げすぎの局面。大きく下げる中でこれだけの買い注文が入って売り注文を吸収したのだから、ある程度の戻り、上昇が期待できるのではないか、と考えられます。

②この上昇局面では
《パターン1》
市場のエネルギーは衰えていない。投資家の売買も順調で資金の回転がきいているからもう一段の上昇は期待できそうだ。
《パターン1》
そろそろ高値に対する警戒感が出てきている。買いを手控えているのだろう。上昇が止まると利益確定の売りが多くなって下がったあとしばらく調整に入るかもしれない。

また③の場面では
《パターン1》
しばらく動かない。1部が手詰まりになっているから2部やマザーズ市場などの値動きの軽い小型株に向かうと考えられる。個別銘柄を一本釣りする動きが続きそうだ。
《パターン2》
そろそろ上昇局面に備えて株を仕込んできているようだ。市場が動き出すのは早いかもしれない。

このようなストーリーが考えられます。
さらにここで海外投資家の動向を見るわけです。

①の《パターン2》のときに、海外投資家が大量に買っていたらどうでしょうか。もう一段下がる可能性はあるとしても、中長期ではそろそろ安値圏だろうと考えることができますね。

②の《パターン1》のときに、海外投資家が大量に売っていたらどうでしょうか。これ以上の高値を期待するよりは、一旦売っておいたほうがいいと考えられますよね。

③の《パターン2》のときに、海外投資家が大量に買っていたらどうでしょうか。上がり始める調光と考えてもいいですよね。

こんなふうに使うといろいろストーリーが考えられますよね。
何度も書きますが、まず市場全体の傾向を把握することが先です。焦って買う必要はありません。
損をする人は、明らかな下げ傾向にあっても、ここから上がるに違いない、上がるはずだといって自分を説得します。ダメですよね…

こうしたどのサイトでも確認できる指標を使ってあなたもぜひ市場の傾向をつかんでください。
ちなみにここ数年の一日あたり売買代金は3兆円〜3.5兆円です。こちらもご参考に。

 

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