株式分割について教えて下さい。しくみとか、メリットとか。
かしこまりました。いいところに目をつけましたね、
長期保有で「テンバガー」を狙うなら、私は断然この株式分割銘柄を候補にあげます。
まず
①株式分割の実際
②なぜ株式分割を行うのか
③どのようにして株式分割銘柄を探すのか
を説明しましょう
①株式分割とは
その名の通り、あなたの持っているその株を分割することです。
あなたがこれから株式分割を行う会社の株を100株持っていたとします。
この会社が「1:3」の株式分割を行うと、100株が300株になります。
財産が3倍になる… すごいじゃん!
まあまあ、話は最後まで聞いてください。
投資家に買われたわけでもなく企業価値は変わらないんだから、単純にあなたが持っているこの株の評価額が3倍になるわけではないんですよ。
1:3の株式分割を行えば株数は3倍になりますが、株価は理論上3分の1になります。
いまの株価が3,000円だとすると3分の1の1,000円まで下がります。つまりあなたの財産(時価評価額)は
株式分割前 100株✕3,000円=300,000円
株式分割後 300株✕1,000円=300,000円
で、変わらないわけです。
ただ、この会社が1株あたりの配当金を据え置いた場合、もらえる配当金は3倍になりますよね。そうなることもあります。
これは株式分割を行う会社によりますので、企業情報でよく確認してくださいね。
いつまでに買えばいいのかは、配当金や株主優待の権利を確定するのと同じです。
詳しくは過去記事
【 スクリーニング ③ 配当利回り 】
【 スクリーニング ④ 株主優待 】
をご覧ください。
ただ株式分割が必ずしも決算月に行われるわけではないという点にだけは注意してくださいね。
② ではどうして企業は株式分割を行うのでしょうか。
昨年は多くの企業が株式分割を行いました。
今年予定されている市場区分の変更(これは近いうちに記事書きます)をにらんで行っている企業もあったと思います。
理由は株数を増やすことです。
1:3の株式分割だったら単純に株数が3倍になりますからね。
企業側からすると、株数を増やす目的は
・市場での売買を通して株主数を増やす。
・株主の優遇
・株主数を増やして市場の指定替え(マザーズ→東証2部 東証2部→東証1部など)を目指す。
ですね。
株数が増えれば市場での売買も増えます。あなたが300株を売却したとして、その300株を3人が100株ずつ買ったら株主は3人に増えるわけです。
またこの銘柄の最低売買単位が100株だったとすると、
分割前の最低投資金額は100株✕3,000円=300,000円 だったのが
分割後の最低投資金額は100株✕1,000円=100,000円 になります。
少ない投資金額で買えるため、投資家にとっては買いやすくなりますから、流動性高まる、株主増える、売買増える、となるわけです。
過去の例で見ると、分割後安くなった値段から再び上昇して、分割前の値段に戻った、という銘柄がいくつもあります。
株主の優遇にもなるということですね。
市場の指定替えを行うためには、株主数、流通株式数、出来高、時価総額の基準をクリアしないといけませんから、この株式分割が一番手っ取り早い方法だというのはおわかりいただけるかと思います。
また株主の数が少ないと敵対的な買収の危険がありますから、株主を増やすことはそれを未然に防ぐ効果もあるでしょう。
では最期に、③、どうやって分割銘柄を探すのか、ですが、これは簡単。
どの証券会社サイトにも株式分割実施(予定)企業リストが掲載されていますので「株式分割予定銘柄」と検索すれば簡単にリストが手に入ります。
ちなみに有名どころでは、以前ご紹介した7&iホールディングス(セブンイレブン・イトーヨカドーなどの運営会社)がこれまで16回株式分割を行って「株数だけで」38倍になっています 。
またこの記事を書いている時点から一番近いスケジュール(令和4年3月)で 1:2 の株式分割を行う[ OATアグリオ : 銘柄コード4979 ]は、2014年の上場以来、今回が2回めで、上場から持っている人はこれで株数が4倍になります。(分割日は2月25日)
チャートも良かったし、過去かなり高い値段まで買われた経験もあって、ちょっと気になったんでご紹介します。
分割発表は令和4年1月14日、これを受けて急騰しましたが、現在は落ち着いた動きを見せています。
事業内容はちょっと地味ですが…(農薬と肥料作ってる会社です)
過去記事【テンバガー投資はできるのか?】でも触れましたが、ネットの広告に「〇〇年間で△△倍! 大化け株を探す手法」なんて出てる実例というのは、たしかに事実なんだけれども。これは〇〇年「持っていられたら」△△倍になった、という話ですから、こうした銘柄を狙うのであれば、普段の売買とは別に長期運用資金を確保して保有していただきたいと思います。
でもたしかに魅力ですよね。ケタが違います。
まだまだ未来のスタープレーヤーがたくさん隠れていますから、あなたもキラリと光る有望選手をぜひ見つけ出してください。