株指南

「平均株価」って何だ??? 最終回

日経平均株価が市場全体の動きと違うことがある、ってのはわかったけど、そもそもそんなこと気にする必要あるん???

そのとおりなんですよね。結論から言うと「さしあたっては」気にする必要はないと言えます。
日経平均株価が上がっていれば全体として株が上がっている、と、まずは素直に考えていいです。

でもね… 「念のため市場全体の傾向も確認しておきましょうね」って場面もあるんですよ。それは…

・株価が上がり続けていて「これから買っても大丈夫かな?」と思ったとき
・株価が低迷していて「安くなったからそろそろ買おうかな」と思ったとき

こんな場面で使える二つの数字のお話をこれからしようと思います。
・騰落(とうらく)銘柄数
・騰落(とうらく)レシオ
前回記事の最後に書いた「たまにはこの数字見といてね」というのがこれなんですよ。

難しい言葉だと思ったあなた、まあ落ち着いてください。ゆっくり説明します。

⚫騰落銘柄数、っていうのはその名の通りで、
・高「騰」した(上がった)銘柄の数
・下「落」した(下がった)銘柄の数
で、毎日公表されます。

これを見ると「日経平均がちゃんと市場全体の動きをあらわしているか」がわかります。
例を見てみましょう

・令和4年1月20日 日経平均株価 前日比+305円70銭 値上がり銘柄数 1,559 値下がり銘柄数 539
ふむふむ… なんとなくわかりますね。ところが4日後…

・令和4年1月24日 日経平均株価 前日比 +66円11銭 値上がり銘柄数 1,527 値下がり銘柄数 582
ん??? 1月20日と値上がり銘柄数も値下がり銘柄数もほとんど変わらないのに66円しか上がっていない…
そしてその8日後…

・令和4年2月 1日 日経平均株価 前日比 +75円50銭 値上がり銘柄数 914 値下がり銘柄数 1,193
日経平均は上がっているのに、半分以上の銘柄が値下がりしてる…

これこそが「日経平均と市場全体のズレ」なんですね。

この例のような状況が頻繁に起こるようなら日経平均株価は全体の動きを反映していないかも…と考えることができるわけです。

⚫騰落レシオ、っていうのは上の騰落銘柄数を指数化したものです
指数、といってもただの比率です。どうやって計算するかというと

値上がりした銘柄の数 ➗ 値下がりした銘柄の数 ✕100 = 騰落レシオ(%)

です。つまり値下がりした銘柄数に対する値上がりした銘柄数の比率(%) ですね。

算数のお勉強になりますが、上の計算式によると…
値上がりした銘柄の数 > 値下がりした銘柄の数 ならば騰落レシオは100を超える
値上がりした銘柄の数 < 値下がりした銘柄の数 ならば騰落レシオは100を下回る

この数字を使うと、たとえば…
「日経平均株価が上がってきているのに騰落レシオが100を下回る状態(値下がり銘柄数のほうが多い状態)が続いているのなら、市場全体としてはまだ上昇傾向とは言えない」
なんてことがわかったりします。

実際は、一日ごとに計算するのではなく

①直近 6日間の値上がり銘柄数の合計 ➗ 直近 6日間の値下がり銘柄数の合計 ✕100
②直近10日間の値上がり銘柄数の合計 ➗ 直近10日間の値下がり銘柄数の合計 ✕100
③直近15日間の値上がり銘柄数の合計 ➗ 直近15日間の値下がり銘柄数の合計 ✕100
④直近25日間の値上がり銘柄数の合計 ➗ 直近25日間の値下がり銘柄数の合計 ✕100

の4つの騰落レシオを計算してグラフ化します。

ここでピンときたあなた、そうです、そのとおりです。
①→②→③→④の順に期間が長くなっている、つまり①は市場全体の短期的傾向、だんだん長くなって④は市場全体の長期的傾向(を表す)ということになります。

さらにこの騰落レシオは、株の売買のタイミングを教えてくれる数字でもあります。
一般的に

騰落レシオが 70を下回るような状態だと市場全体が低迷している状態→そろそろ買い時
騰落レシオが120を上回るような状態だと市場全体が過熱している状態→そろそろ売り時

とされているんですね。

まとめると、
・騰落レシオの傾向を見ると市場全体の本当の傾向がわかる。
・騰落レシオを使って買い時、売り時のタイミングを計れる。
ということになります。

さて今日の結論です。
日経平均株価の上昇時や低迷時には「騰落銘柄数」「騰落レシオ」で市場全体の傾向を確認しておくといいでしょう。
「騰落銘柄数」「騰落レシオ」は市場全体の傾向がわかる数字で、特に騰落レシオは売買のタイミングの目安に使うことができます。
ただ毎日のように神経質に見ていく必要はありません。
・株価が上がり続けていて「これから買っても大丈夫かな?」と思ったとき。
・株価が低迷していて「安くなったからそろそろ買おうかな」と思ったとき。
に使ってください。

なお、騰落銘柄数、騰落レシオはこちらで調べることができます。
私がいつも利用するサイト「日経225」です。
https://nikkei225jp.com/data/touraku.php
スマホでもPC用画面が表示されます。日経平均との比較グラフや、ヒートマップも表示されていますので、どんなものかぜひ一度見てみてください。
(PC版で見たほうが良いです)

*このブログでご紹介するサイトはあらためて「オススメサイト」としてまとめますね。

では、日経平均については今回で終了します。

★本日の証券用語
・騰落銘柄数 とうらくめいがらすう:値上がりした銘柄の数、値下がりした銘柄の数
・騰落レシオ とうらくれしお:値下がりした銘柄数に対する値上がりした銘柄数の比率(%) 70を下回ると株は買い時、120を上回ると株は売り時、とされる

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