ストップ高銘柄とか毎日見かけるけど、あれ、買っちゃダメなの?
ダメとは言わないけど… 買うならんそれなりに覚悟して買ってくださいよ。
損しても知りませんからね。
Yahoo!ファイナンスアプリでも株価ランキング → 左上の設定タブで「ストップ高」をチェックすればその日ストップ高した銘柄が出てきます。
実際、毎日何がしかの銘柄がストップ高まで買われています。
一日で大きな利幅がとれるというのはたしかに魅力ですよね。
今日はこのような急騰する銘柄についてお話しようと思います。
まず取引所は銘柄の株価に応じて一日の値動きの幅を制限しています。これを値幅制限というのですが、
100円未満の株は 上下 30円
200円未満の株は 上下 50円
500円未満の株は 上下 80円
700円未満の株は 上下100円
1,000円未満の株は 上下150円
1,500円未満の株・・・・
というように、一日に動く値幅が決まっているわけです。
詳しくは日本取引所グループホームページ 「内国株の売買制度」(https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/06.html) をご覧ください。
ストップ高というのは、その日の値幅制限いっぱいまで株価が上がる(上がった)状態をいいます。
(逆に下がった場合はストップ安といいます。)
よくネットで「何倍にもなる株を当てる方法」とか「急騰銘柄を探し出す新しい手法」とか広告で出ているのはコレを探し出すってことですね。
本題に入りましょう。
結論から言うと、
・割り切って短期狙いで上昇の流れに乗るのはアリ。ただし早めに手を引くこと。売った後に上がっても気にしないこと。
・高値で捕まったら最後。損してても潔く売って逃げること。
ですね。
短期で急騰する銘柄には共通点があります。
・普段の出来高や売買代金は少ない。
↓
・急騰する前に出来高が増えて少しずつ上がり始める。
↓
・ある日突然、それまでの何倍、何十倍もの資金が流れ込み、ストップ高となる。
↓
・短い場合で2、3日、長い場合だと一旦下がっても繰り返し買われて2週間くらい続く。これはまちまち。
↓
・出来高がピークに達して上昇が止まり(天井を打つ、と言います)、最高値をつけるが終値は前日比マイナス。あれっ? あれれれれ???
↓
・買い注文が続かなくなり、下落が始まる。 投げ売りが出てストップ安になることも。お役目終わりました。お疲れさまでした。
↓
・売買が急減し、出来高はみじめな数字に。あわれ…
↓
・誰にも見向きされなくなり、「あの人はいま…」の状態に。
ほぼ例外なくこのパターンをたどります。
一例をお見せしましょう。
銘柄コード3604 川本産業
一番左の月足を見ると、大きな山が3つありますね。2020年2月、2020年11月、そして直近の2022年1月です。
それぞれの局面を振り返ってみましょう。
・2020年2月
2019年後半から川本産業株は430円前後でほとんど動きがありませんでした。毎日の出来高は多くて数千株、少ないときはたった300株なんていう日もありました。
ところが2020年に入り、出来高が1万株、2万株、と増え始め、1月16日にはなんと112万株の売買がありました。(終値は597円)
ここまでで約160円、率にして40%近く上昇したのですが、爆上げが始まったのは1月18日の週明けから。10日連続のストップ高で一気に3,795円まで上昇します。出来高は530万株。
10日間で6倍以上です。
そして翌営業日の2月3日、4,000円まで買われて史上最高値をつけたあと株価は急降下。結局終値は700円ストップ安の3,095円。出来高は半分の285万株。
その後の3日間もストップ安であっという間に株価は1,495円に。高値をつけてからたった3日で半値以下になってしまいました。
その後は見てのとおりです。出来高は数万株程度まで落ち込みました。
・2020年11月
夢よもう一度…
比較的早く、もう一度物色される機会が訪れました。珍しいんですけどね。
4,000円をつけて急落してから1,200円〜1,400円のレンジで落ち着いていたのですが、11月中旬に突如出来高が10倍となり11月19日に2,493円まで買われました。
11月11日が1,314円でしたから、たった1週間で1,000円以上、率にして約90%上昇したわけです。
そしてその後…一進一退を繰り返しながら徐々に下落、日の目を見ることなく下がり続け、2021年10月に774円をつけることになります。この日の出来高はわずか15,000株でした。
・2022年1月
3度めの山。
それまで900円前後の値動きだったのが年明け早々に急騰。1月4日の972円から1月12日の1,845円まで、たった1週間で約2倍となりました。
ちなみに1月12日の動きは、買い注文が膨らんで始値1,814円(いきなり120円高)、そこから31円上昇した1,845円で力尽き、終値は高値から400円近く安い1,458円(前日比−236円)。
出来高は973万株でした。
そして… この記事を書いている2月15日、株価は893円、出来高はわずか55,000株でした。
川本産業はガーゼを作っている会社。コロナ関連銘柄ってことなんでしょうね。
ちなみに… 2月7日に発表された川本産業の決算は… 前年同期比47%減でした… 配当もありません。
どうでしょうか。
この川本産業のように3回も山があるのは珍しいケースだと思います。
ですのでどこかの場面でまた買われる場面があるかもしれませんね。
急騰する株は多かれ少なかれ川本産業株と同じです。
天井を打つときは、
前日の流れを受けて朝方から買い注文殺到 → 午前中に高値をつけたあと急に動きが止まる → 午後にかけて株価が下がり始める → 結局前日比マイナス
という動きをします
こうなったらさっさと売るしかないです。
「船が沈みそうになったら祈るな。すぐ飛べ!」
ですよ。
★本日の証券用語
・値幅制限 ねはばせいげん:取引所が銘柄の株価に応じて一日の値動きの幅を制限すること。その値幅。
・ストップ高 すとっぷだか:値幅制限いっぱいまで株価が上がること。
・ストップ安 すとっぷやす:値幅制限いっぱいまで株価が下がること。